☆作品投稿☆「サツバツナイトガスライト(上)その9」☆短編☆

数日後。
影山 アカリは混乱していた。
原因は一通のメッセージだ。送り主はクラン。殺しの依頼だ。
アカリは少なくとも5年以上殺しの依頼を請け負ったベテランだ。並大抵のことでは動揺しないし、殺した相手のことなぞ直ぐに忘れる。そもそも端っから興味を持たないように『教育』されているからだ。名前が忘れやすいのはその弊害だった。
ならば何故混乱するまでに至ったのか。
それは殺す相手に問題があった。

 

《陽ノ下 アキト 3日以内 Kill》

 

内容は言わずもがなだ。あのアキトを殺せと上は命じているのだ。
でも何故?
何故、今なのだろうか。
もしかしたら以前のやり取りを監視されていて、ニンジャの名を知ってしまったが故に消さなければならないと判断されたから。なんてことすら思い浮かんでしまう。
アカリは混乱していた。
それは3日ギリギリまで続くのだった。